投資で大切な考え方 「期待値」 ~サイコロゲーム編~
簡単に期待値について理解するためにはサイコロゲームで考えると分かりやすいです。
下記のルールのサイコロゲームがあるとして考えてみて下さい。あなたならどうしますか?
(1) あなたは一日に一回サイコロを振ることが出来る権利を持っている。
(2) 一回サイコロゲームに参加するのに参加料300円払わなければならない。
(3) 使用するサイコロは正六面体であり、どの面も等しく1/6の確率で出現する。
(4) 1~3の目が出たら900円貰える。
(5) 4~6の目が出たら何も貰えない。
結論から言うと上記のルールのサイコロゲームがあるとしたら、毎日欠かさずに
サイコロゲームに参加したほうが良いです。
なぜならサイコロを一回振ったときの期待値が+300円あるからです。
期待値は次のように算出します。
A:一回サイコロを振ったときの全通りの収支をそれぞれそれが起こる確率の分母で割る。
B:Aで算出した値を全て足す。
実際の計算は以下です。
① 1の目が出たとき (900円-300円)÷6=+200円
② 2の目が出たとき (900円-300円)÷6=+200円
③ 3の目が出たとき (900円-300円)÷6=+200円
④ 4の目が出たとき (0円-300円)÷6=-100円
⑤ 5の目が出たとき (0円-300円)÷6=-100円
⑥ 6の目が出たとき (0円-300円)÷6=-100円
①~⑥を全て足すと、一回サイコロを振ったときの期待値は+300円になります。
4~6の目が続くと参加料の300円ばかり払い続けて一時的に損している状態になるかもしれないですが、何回もこのゲームしていくうちに収支がプラスになる確率は99.9%に近づいていきます。
しかし、負けが続くと一旦ゲームの参加をやめてみたり、勝ちが続いて収支が大きくプラスになると、一旦ゲームの参加をやめたりする人が現れると思います。
これは運の要素を考慮しているからだと考えられますが、サイコロに細工がなされていない限り一回のサイコロゲームで勝つ確率は50%(6面のうち3面が勝ちの設定だから)。
負けが続いているので弱気になりゲームを休む、、、といった感情に流された判断を下すことは落ちている300円を拾わないことと同じことです。(拾ってもだれにも怒られない。)
投資のプロは上記のようなゲームがあると、毎日欠かさずに淡々とサイコロを振り続けるでしょう。さらにハイレベルな投資家になるとルールの範囲内で期待値をもっとあげるのにはどうしたらよいか工夫するでしょう。
例えば、サイコロの振り方を変えてみる。1と2と3の面を削って軽くしサイコロの重心を変えてみる。ルール変更の提案をしてみる。等々、、、
このサイコロゲームは確率と収支が全て分かっており、期待値が算出しやすいです。
確率と収支に不確定要素があると人によって計算過程が違ってきて結果(ゲームに参加すするか否か)も違ってくるのが面白いところです。
株式投資、不動産投資、保険もサイコロゲームと同じ考え方で期待値を算出して売り買いの判断を下しています。
サイコロゲームを少し複雑にしたゲームが麻雀やポーカーに代表されるゲームです。
次回は麻雀でシミュレーションしてみたいと思います。(ルール知らない人すみません)